遥か　遠い遠い　昔の話。

アメリカ先住民−インディアン−と共存していた、ある女性がいた。その女性は人に尽くすことに喜びを感じ、人々に手作りの品物をいつも贈っていた。

だが、人々に好かれるその女性のことを　良く思わない輩が存在していたのだ。

女性は、人々を苦しめる病を治す薬を日々研究していた。

あともう少しで研究が終わろうとしていた矢先、
その資料が、何者かによって盗まれてしまう。

そして　それから間もなくのこと・・・。

その女性を良く思っていない例の輩が、
「私が病を治すための薬を作った！」と彼女の手柄を横取りしたのだった。

彼女は、資料を盗んだ犯人が　その輩だとすぐに判った。

しかし彼女は　犯人を責めることはせず、自分自身を責めた。

「盗んだ者が悪いのではない、盗まれた私が悪いのだ」と・・・。

人を疑うことを知らなかった彼女は
疎まれていたという事実を知り　落ち込む。

　　

・・・そんな出来事があった後も、
彼女はその地に留まり　幸せな人生をおくった。



しかし　その時の出来事は　彼女の中で　永遠に傷として残ってしまったのだった。

何度　輪廻転生を繰り返しても、
その傷は　なかなか癒えなかった。


その為に、現世でも人の目を気にしてしまい、
人にどう思われているか気にしすぎるあまり、自分自身を出せないでいる。